クロステック(X-TECH)

この章での学び

この章では、『クロステック(X-tech)[IoT、クラウドサービス、AI、ビッグデータ]』について学ぶことができます。

クロステック(X-tech)

X-Techとは、既存のビジネスとAIやビッグデータ、IoTなどの先進的なテクノロジーを結びつけた新たな製品やサービスなどを指します。

たとえば、FinTech(株のオンライン取引など)などです。

クロステックで用いられるIT技術の例

IoT(アイオーティー)

IoTは「Internet of Things」の略でモノのインターネットと訳され、モノがインターネット経由で通信することを意味します。

IoT

 

IoT

IoTで実現できること

離れたモノを操作する(遠隔制御)

① エアコンの制御(コントロール)をする

② 照明の制御(電源を入切や照度の調節)をする

離れたモノの状態を知る(遠隔監視)

① 環境(温度、湿度、気圧、照度、騒音など)を知ることができる(環境モニタリング)
② モノの動き(衝撃、振動、傾斜、転倒、落下、移動など)を知ることができる (モーションモニター)
③ モノの位置(存在検知、近接検知、通過検知)を知ることができる
④ モノの開閉を知ることができる
⑤ 工場設備の稼働状況を知ることができる

離れたモノ同士でデータ共有できる(データ送受信)

自動運転車

クラウド(クラウドサービス)

クラウドサービスとはインターネット経由でソフトウェアやデータを提供するサービスのことです。

利用者側がPCや携帯情報端末などのクライアント端末とそのクライアント端末上で動くWebブラウザやインターネット接続環境などを用意することで、どの端末からでも、さまざまなクラウドサービスを利用することができます。

クラウドサービスは、主に以下の3つに分類されています。

SaaS(サース または サーズ:Software as a Service)

インターネット経由で、電子メール、グループウェア、顧客管理、会計などのソフトウェアの提供を行うサービスです。

たとえば以下のようなサービスです。

① 電子メール :Microsoft Exchange Onlineなど

② グループウェア :サイボウズ、デスクネッツなど

③ 顧客管理:Zoho CRM など

④ 会計:勘定奉行クラウド、freeeなど

PaaS(パース:Platform as a Service)

インターネット経由で、アプリケーションソフトを動かすためのプラットフォーム(仮想化されたサーバやデータベースなど)機能の提供を行うサービスです。

代表例:Microsoft Azure(マイクロソフト アジュール)

IaaS(アイアース、イアース:Infrastructure as a Service)

インターネット経由で、CPU、メモリ、ストレージやネットワークといったコンピュートリソースの提供を行うサービスです。

ユーザーはリソース構成( CPU、メモリ、ストレージやネットワークの構成)を自由に選択して利用することができ、そのリソース上に任意のアプリケーションを構築することができます。

代表例: AWS(Amazon Web Service)によるAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)

AI(エーアイ)

AIとは、「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略称で、人工知能のことです。

人工知能(AI)とは、人間の知的ふるまいの一部をソフトウェアを用いて人工的に再現したものです。

 

AI(エーアイ)

AIと機械学習、ディープ・ラーニング(深層学習)について

最近ではAIだけではなく、機械学習やディープ・ラーニング(深層学習)がよく話題に上がっていますが、何が違うのでしょうか?

1)機械学習はAIの技術要素の一つです。

2)ディープ・ラーニング(深層学習)は機械学習の技術要素の一つです。

機械学習とは

機械学習は与えられたデータ(問題)を基にプログラム自身が学習する仕組みのことで、学習方法によって3つに分類されます。

教師あり学習

「教師あり学習」は「データ」と「問題の正解」を与えることで自律的に特徴を学習する仕組みです。

教師なし学習

「教師なし学習」は、「教師あり学習」のように 「問題の正解」がなくても自律的に特徴を学習する仕組みです。

強化学習

「強化学習」は与えられた問題に対してAI(人工知能)が試行錯誤をすることにより、問題を解決する行動を学習する仕組みです。

ディープ・ラーニング(深層学習) とは

ディープラーニング(深層学習)とは、機械学習の一つの方法であるニューラルネットワークを多層化したディープニューラルネットワークを用いて大量のデータ内から特徴を学習する仕組みです。

構造化されたデータ(たとえばエクセルデータなど)だけでなく、音声や画像、テキストなどの複雑な非構造化データからも学習できる技術です。

応用されている技術分野:画像認識、音声認識、自然言語処理、予測、映像解析、異常検知など

ビッグデータ

ビッグデータ(Big Data)とは、従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような膨大なデータ群のことです。明確な定義があるわけではなく、企業向け情報システムメーカーのマーケティング用語として多用されています。 [IT用語辞典より抜粋]

スマートフォン等を通じた位置情報や行動履歴、インターネットやテレビでの視聴・消費行動等に関する情報、また小型化したセンサー等から得られる膨大なデータ

(情報通信白書平成29年版、総務省より)](http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc121100.html)

 

BigData(ビッグデータ)

一般的に、ビッグデータはVolume (量)、Velocity (速度)、Variety (種類)、Value(価値)の4つのVにより表されます。

Volume (量)

ビッグデータの「ビッグ」はそのデータの量を表しています。

ビッグデータでは、密度が低く、構造化されていないデータを大量に処理しなければなりません。

データ量の単位は数十テラバイトの場合もあれば、数百ペタバイト(1ペタバイト=1024テラバイト)に及ぶことさえあります。

Velocity (速度)

速度とは、データが受け取られ、処理されるまでの高速な速度のことです。

さまざまなサービスやメディア、センサーなどから得られる膨大な量のデータをほぼリアルタイムで処理する必要があります。

Variety (種類)

種類とは、利用できるデータが多様であることを指します。

従来のデータは構造化されていましたが、ビッグデータの普及とともに、テキスト、音声、動画などの構造化されていない新しいデータの種類が増えています。

Value (価値)

データには固有の価値があります。同じく重要なのが、そのデータがどのくらい信頼できるかということです。ビッグデータに価値を見出す上で重要なのは、その分析だけではなく、検出プロセス全体です。

ビッグデータ活用のメリット

現状を正確に把握する

ビッグテータの活用することで、様々なデータの収集や格納が容易になり、分析が可能になり、現状を正確に把握することができます。

課題の解決策を導き出す

ビッグテータの活用することで、データ分析やデータマイニングを介して事物の法則や異常を見出すことできます。その結果、抱えている課題の原因を特定し、迅速に適切なアクションを取ることが可能になります。

新たなビジネスチャンスを発見する

既存製品とサービス、バイヤーとサプライヤ、消費者の好みに関する情報を収集して統合的な分析を行うことで、企業が新たなビジネス機会を発見し、まったく新しいカテゴリの商品とサービスを創出することができます。

ビッグデータの活用例

医療

予防医療に役立てることができます。
例:ウェアラブル端末などからデータを収集、患者の健康状態を監視し、医療機関にデータを送ることで予防医療に役立てることができます。

観光

観光客の観光地への興味と、その行動特徴のデータを分析し、観光ビジネスに役立てることができます。

例:口コミや顧客の検索キーワードのデータを分析することにより、提供しているサービスの需要や課題を見出すことができます。

教育

生徒学習履歴や行動履歴などを収集、可視化、分析することで、学習の評価や様々な予測、成績と学習行動の関係性を明確にすることができます。

例:学習履歴のデータを使用し、個々の学生のためにコースと学習計画を作成することで、生徒の全体的な結果を改善することができます。

小売

市場と顧客関心の分析することにより、小売業の生産性と効率化を図ることができます。

例:売上データを分析することで、商品の需給予測の精度を向上させ、製品の入荷に関して合理的な判断を下すことが可能になります。

農業

農作業にビッグデータを活用することで、収穫の予測や生産性を向上することができます。

例:センサーから得られた気温・日射量・雨量や農作業のデータを解析することで、生産計画から収穫・出荷までを可視化できます。

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